施工日:2025年11月 施工地域:大阪府八尾市
カテゴリー:おしゃれ+ふたり暮らし+エリア+タイル+テイスト+モルタル+一戸建て+大阪府+居住構成+建物+特徴
モルタル造形壁が主役の一点物リノベーション
お二人暮らしのK様ご夫妻からご連絡をいただいたのは、弊社ホームページの「“ワクワクする内装”という表現、レンガ壁の写真にピンときて」のことだったそうです。
バリアフリー工事と水廻り入れ替えのご相談で、「最初は“普通のリフォーム”でいいかなと思っていた」とおっしゃるK様。
その後、弊社事務所でじかにモルタル造形、モルタル左官、塗装、レンガなどの仕上げバリエーションをご覧いただくうちに内装の可能性に触れ、気持ちが大きく動かれたそうです。
「外構で使うものと思い込んでいたモルタル造形を、室内に取り入れているところに驚き、リノベーションの希望が膨らんでいきました」。
世界中の手仕事品——キリム織物、モン族刺繍、モラ手芸など——に心惹かれる奥様が、既製品にはない「作り手の息吹」を壁から感じ取り、一目惚れに至ったのは必然だったのかもしれません。
そこから一転、“モルタル造形壁を主役にした一点物リノベーション”へ舵を切ることとなりました。
| モルタル造形とは? 左官材が硬化する前にコテなどで彫刻し、特殊塗装でレンガや石、木などを本物さながらに再現する建築装飾技法です。米国の某テーマパークから始まり、最近では一般住宅にもすそ野が広がっています。表現できるデザインは無限大。中世ヨーロッパの街並み、古城、空想上の建物まで、お客様の「好き」をそのまま自宅に再現できます。心の中で思い描いてきた世界が、毎日の暮らしの風景に変わります。 |
壁が主役のLDK
モルタル造形壁を主役にした一点物リノベーション。
まずLDKと洋室の間仕切壁を撤去し、開口部を端へ寄せることで、二間続きの横長の壁面を確保しました。
テレビ背面の一部にアクセント材を取り入れるケースは多く見られますが、今回はあえて部分使いにとどめず、二間分を貫く大壁面すべてを造形壁に。
そのスケール感は、視界に入った瞬間に空気を変えるほどの迫力があります。
まるで昔からそこに存在していたかのような自然な佇まいでありながら、住まい全体を力強く印象づける存在感。
「壁が主役」という言葉がしっくりくる空間が生まれました。
造形壁を引き立てる“名脇役たち”
撤去した間仕切壁の位置に腰壁を新設し、上部にロートアイアンパネルを組み合わせて、軽やかに空間をゾーニングしました。
天井に異国情緒あふれる影を描くこのパネルとペンダントライトは、どちらもK様の別邸で眠っていたもの。移設によって役割を得て、造形壁と三位一体となって空間に独特の深みを生み出しています。
“思索にふける場所”という贅沢な時間が日常に加わりました。
スパイスを効かせる個性派タイル
奥様が特にこだわられたのがタイル選びです。デザイン性の高い「平田タイル」のラインナップから、洗面室には天然大理石タイル、キッチンには形状の異なる4種類の凹凸シリーズをセレクトされました。
張り方にも一工夫。
洗面|繊細な天然石を慎重にカットし、ヘリンボーン張りで躍動感のある表情に。
キッチン|4種類のタイルをランダムに組み合わせ、凹凸フォルムが生む構築的なデザインに。
主な工事内容
施工箇所はLDK、洋室、洗面室、和室です。
LDKと洋室は間仕切りを撤去して一間の大空間に。床は補強のうえバリアフリー化し、手入れのしやすいフロアタイルへ張り替えました。壁と天井は、グレーの漆喰と塗装で落ち着きをもたせています。
デザイン性に加え、暮らしやすさも向上しました。
キッチンはIHへ変更し、食洗機をプラス。変形空間の洗面室は、洗濯機用水栓の位置を移動して洗面台の幅を拡張。頭上の吊り戸を撤去し、手の届く位置に棚板を設けることで、日常動作をスムーズに。レイアウトが難しい台形の洗面室も、すっきりと整えています。
和室は畳を琉球畳へ替え、階段下の押入れを撤去。さらに各室の建具を片引き戸に変更することで、動線がスムーズになり、住まい全体がより開放的で使いやすくなりました。
お客様のお声
唯一無二に満たされて
モルタル造形が入った日の夜―。
まだ明かりのつかない真っ暗な部屋で、「…まだ見てるんか!?」とご主人様が声をかけるほど、奥様は壁の前から離れられなかったそうです。
「苔のような質感や、わざと崩した感じ…こういうのが好きなんです」。
朽ちたように仕上げた壁は、旅先で見た台湾やベトナムの街角を思い出させてくれるとのこと。
「芸術品の域ですよね。職人さんにサインを入れてもらってもいいくらい!」。
工事を振り返って
好みのインテリアスタイルが多岐にわたり、絞り込みが難しかったと笑う奥様。「もし好きなように選んでいたら、今頃はちぐはぐな空間になっていたと思います。角野さん(弊社代表)の助言でショールームでは下手に迷うことなく済みましたし、こうして出来上がって全体を見たとき、改めてアドバイスどおりにしてよかったと思いました」。
住みながらリフォームしてわかったこと
「2階で生活しながらの工事でしたので、工程ごとにさまざまな職人さんが日々出入りされ、多くの方が関わってくださっていることを実感し、感激しました。どの職人さんも気持ちの良い方ばかりで、良い関係性で仕事をされているのが伝わってきました」。
お引渡し後にも、
「唯一無二のリフォームを願っておられる方には“ワクワク”する内容です。予想の枠を越えた素敵な仕上がりに感謝しています。ありがとうございました」とご丁寧なメールもいただきました。
私共もK様のワクワクにご一緒させていただき、感謝申し上げます。
このたびのご依頼、誠にありがとうございました。
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弊社事務所は、外から見ると、カフェ?美容室?家?…何屋さん?と不思議に思われる建物です。
ぜひ、見学を兼ねてご来店ください