施工日：2024年11月 施工地域：奈良市
カテゴリー：インダストリアルデザイン+エリア+テイスト+デザイン+ヴィンテージ+土間+奈良県+店舗デザイン+店舗・オフィス+無機質+特徴
昭和物件をスケルトンに～家庭料理からカラオケ居酒屋への挑戦
店舗拡大？新展開？昭和の隣地に託した希望
「隣の店舗が空くので、何か新しいことをしたい」と、新店舗の計画をご相談いただきました。今回のご依頼主様は、「家庭料理お家（うち）」様です。これまで本店の改修や離れのリニューアル、オーナー様のご自宅のリノベーションと、たびたび当社に工事をご依頼くださっているお得意様です。隣のカラオケ居酒屋が居抜き退去されるといい、オーナー様ご夫妻は、それぞれに異なるアイデアと期待をもって当社に連絡をくださいました。
・オーナー様は、手狭になった本店を拡張し、新たに客席を増やすことで、より多くのお客様をお迎えしたいとお考えでした。
・一方で、奥様は本店とは異なる方向性を探り、新たな可能性を模索したいとお考えでした。
居抜き物件とはいえ、昭和の風情たっぷりの空間は内装・設備ともに老朽化が進んでおり、「引き継げるものが何もない」状態です。一度解体してから新たな方向性を見極めることになりました。
コスト削減で生まれたインダストリアル空間
解体と設備の新調に予算配分し、「内装はできるだけコストを抑えてほしい」と、お客様からご要望を受けました。
スケルトンにした現場は、剥き出しのコンクリートが粗削りでかっこいい、インダストリアルスタイルの空間。床は解体したままの状態にとどめ、壁・天井、建具はコンクリートが引き立つカラーリングで統一、カウンターはコンクリートブロックで造作しました。ガレージバー、倉庫バーをイメージした大人の隠れ家の誕生です。アットホームさがウリの本店とは対極に、姉妹店は無機質で渋い魅力を持つ、別個性の空間に仕上がりました。
「本店と同じことをしても仕方ない。別の方法で、お客様に楽しんでもらいたい」。オーナー奥様のご意向が、コストカットと独自の内装を実現する原動力となりました。
固定客にも新規客にも！次の一歩を誘う店
奥様のチャレンジ精神と、地域のニーズが合致して、姉妹店はカラオケ居酒屋として新規開業されることになりました。しかし、そこに以前の昭和の面影はどこにもありません。カラオケ居酒屋のイメージを払拭する、隠れ家バーデザインの枠超え新空間。
「次どこ行く？」「歌っとく？」。自然な流れで、本店のお客様がそのまま隣へ訪れるきっかけを作ることができます。
旧店の固定客様にも嬉しいニュース。再び歌える場としてご利用いただける可能性があります。
さらには、従来とは異なる店舗デザインによって、家庭料理、居酒屋、カラオケのカテゴリーを超えたご新規層にも広がりが期待できます。
補完し合う二つの世界
このプロジェクトには、もう一つの成果があります。本店の増席です。
両店舗は、厨房の裏側で通路がつながっている構造になっており、本店で調理した料理を隣の店舗に運ぶことが可能です。この立地条件を生かし、本店と新店舗は一体感を保ちながら、それぞれ異なる魅力を提供できる形態となりました。
ホッとしたいときには本店で、おしゃれに過ごしたいときには新店舗で――お客様の気分に応じて使い分けができるだけでなく、両店舗間での「はしご利用」も可能で、別業種によって相互補完できる魅力的な姉妹店が完成しました。
ご夫妻それぞれの思いが実り、両店舗の個性を最大限に引き出すことができました。
2024年12月2日オープン
カラオケ居酒屋YOSHIDA屋 様
奈良市大宮町4丁目310-12
お客様の声
「インスタでいつも素敵な空間を見ていたので、今回も迷わず工事を依頼しました。『コストをかけずにお願いします。あとはお任せします』と、そんな感じでした。結果、無機質でかっこいい仕上がりにしていただきました。
特に心配だったのがトイレです。以前は一段上がった場所にトイレがあり、扉を開けるとさらに段差のある和式便器がありました。酔ったお客様には使いにくそうで気になっていましたが、段差が解消されて客席とフラットになり、本当にきれいにしていただいて安心しました。
客席は、ソファ席、カウンター席、ベンチ席、それぞれ座る位置によってお店の印象や気分が変わるのが魅力的です。着席数に柔軟性を持たせるために、壁側に一列ベンチシートをお願いして設けてもらったこともよかったです。
急に決まった話にもかかわらず、短期間の中で対応していただき、ありがとうございました」（オーナー吉田様）。
ーいつもお声がけいただき、本当にありがとうございます。20周年（！）を迎えられた「家庭料理お家（うち）」様とともに、「YOSHIDA屋」様もこれから末永く、地域の方々に支持されるお店になりますように！このたびもご依頼、誠にありがとうございました。