施工日:2024年2月 施工地域:奈良県磯城郡田原本町
カテゴリー:エリア+ナチュラル+奈良県+店舗デザイン+店舗・オフィス
子どもが安心して通える空間づくり〜発達特性に配慮したカフェ風デザイン
特性のある子どもたちに向けた内装とは
発達に特性のある子どもたちにとっては、何気ない建物の雰囲気(装飾や色合いなど)が、耐え難い苦痛や大きなストレスになることがあります。
せっかくその先に居心地のよい空間があっても、外観がアウトなら、どうでしょうか。怖い。イヤな感じがする。と感じてしまったら、先に進めなくなってしまいます。そこがビルの中のテナントで、外観の改装に制約がある場所だとすると、どうすることもできません。
今回ご紹介するのは、こうした特性を持つ子どもたちが通う児童発達支援施設の内装工事事例です。
子どものこだわりを解く、事業者様のこだわり
リハビリ訪問看護ステーションが手掛ける新規事業として、医療的ケア児等にも対応する看護師駐在の施設となります。先述の状況を踏まえ、事業者様はエントランスにこだわりがありました。
【外観のご希望】
・カフェの雰囲気を取り入れたファサード
・木目のアクセントを活かしたクリーム色基調のシンプルなデザイン
・外から中が見えるように
【内装のご希望】
・イメージはカフェのキッズスペース
・ご利用者さんが落ち着けるパステル系色を使用してシンプルに
子どもの緊張を解きほぐす居心地のよい空間に、という事業者様の想いを、南向きの新築テナント2区画、何もないスケルトンの空間にはめていきます。
シンプルベースのカフェ風ファサード
エントランスで木の香りがふんわりと漂う、ドアと窓を一体化した造作を施しました。車椅子やベビーカーが出入りしやすい引き戸を採用し、有効開口を広く取りました。
格子のFIX窓も造作し、ブラケットライトを組み合わせることで、カフェの雰囲気を演出しています。
また、ファサードの壁面には左官でやわらかな凹凸の表情を与え、緑や小物も映えるような、全体的にシンプルで統一感のあるデザインとしました。
カフェのキッズスペース的内装
2区画の境界を取り払い、中央に広々とした大空間を確保しました。スタッフルームと相談室を端に寄せ、間仕切り壁のカラーは、お客様がペールグリーンを選ばれました。
やわらかなグリーンと床・ドアの木目の濃淡、そして大きな格子のカフェ窓からたっぷりと注ぐ陽光が、キッズにも大人にも心地よい、木漏れ日にまどろむような空間になりました。
入り口右側の壁には、石目調のグレークロスをご提案しました。将来出入り口にカウンターを設けた場合、店舗ロゴなどの壁面装飾が映え、ゾーニングしやすいよう考慮しています。
気になる反応はー?
刺激の少ないシンプルデザイン。空間はどのように受け止められているでしょうか。
「お子さんはスッと中に入ってきて、リラックスして過ごしてくれています。他の施設では泣いて入室すらできなかったのに、と親御さんも安心していらっしゃいました。
同業種から来てくれたオープニングメンバーは、(一般的な児童発達支援施設と比較して)『なんと贅沢な空間!』と驚いています」(事業者代表・松本様)。
事務的、病院的な雰囲気を排した、「らしくない」空間。皆様方にとって心地よい居場所になりますように。
このたびのご依頼、ありがとうございました。
お客様の声
「どこに依頼していいか分からず、ネットで検索して見つけたのがCREARTHさんでした。
施工事例が多く、作り手さんの思いが伝わるホームページに雰囲気のよさを感じ、連絡して事務所に伺ってみると、建物が素敵!センスだけでなく、アドバイスが経験に基づいて具体的なところや、必要のない工事は正直にお伝えいただけたところが有り難かったです。
親身になって相談に乗ってくださり、安心できました」(代表・阪本様 松本様)。
2024年4月1日オープン
こども発達支援ぴったんこ 様
奈良県磯城郡田原本町大字千代44-1